そうして、自ら稼ぐことをいったんやめて、大富豪との婚活に精を出していた時期もあります。大富豪のなかには実際に交際した人もいますし、なかには結婚まで至った人もいます。その結果、私は資産家と3回結婚し、3回離婚しました。
そもそも玉の輿が目的でしたので、結婚生活は大変なことの連続でした。けれどおかげで、資産家たちが「お金を増やす極意」を間近で見られました。また、2回目の結婚相手はアメリカ人だったので、アメリカの大富豪ともたくさん接する機会を得られたのです。
「本物のお金持ち」が絶対にしないこと
みなさんは、「本物のお金持ち」といえる存在に、どれくらい会ったことがあるでしょうか?
「私は年収3000万円もらっている」
「うちの会社は年商10億円も稼いでいる」
そんな発言で、やんわりとマウンティングしてくる自称・お金持ちに出会ったことはありませんか?
断言しますが、そんな人は決して「本物のお金持ち」ではありません。なぜなら“本物”は、「自分がいくら稼いでいるか」なんて絶対に公言しないからです。そもそも、「高収入=お金持ち」という感覚こそ、まさに日本人ならではのマネーリテラシー。お金についての教育が、世界標準から遅れていることの証左です。
大富豪たちを見ていて気付いたのは、単に収入が多い人を「お金持ち」とは言わないことです。本物のお金持ちというのは、「働かなくても収入を得られる仕組み」を持っている人のこと。彼らの言葉で例えるなら、「金の卵を産む金のニワトリ」を飼っている人こそが、お金持ちなのです。
「軍資金を稼ごう」とするのは貧者の発想
それだけでなく、大富豪と私たちとでは、「お金を増やすための発想」がまったく違います。
一般的に言われている資産構築では、お金を「まずは稼ぐ、その次に増やす」という順番になっています。はじめに元手となる軍資金を稼いでから、それを投資や運用によって増やしていくというわけです。それがごくごく一般的な常識でしょう。
しかし大富豪は、そうは考えません。「どうやって元手を稼ごうか」なんて、1ミリも考えていないのです。
では、彼らは何を考えているか。「どうやって元手を集めようか」「どうやって借りようか」と考えるのです。つまり、資産構築をするための元手は、働いて稼ぐのではなく、「集める、借りる」という発想になるわけです。
私も最初は半信半疑でした。しかし、彼らと長く接して「大富豪になるほど、お金を外から集めている」という光景を目撃するうちに、考えを改めました。
不動産のデベロッパーとして知られた、地元のある大富豪が言っていました。「お金があったとしても、私は“借金”をします。たとえば100億円自分が持っていたとしても、100億円の借金をするのです。安い金利で借りられるし、信用を積み重ねることで、もっと借りられるようになりますから」
大富豪や資産家ほど、大きなお金を持っているほうが人生は有利に働くことを知っているのです。
経営に詳しい人ならわかるかもしれませんが、企業で言う「バランスシート(貸借対照表)」で考えると、納得がいきます。たとえば銀行から1000万円を「借金(負債)」したとしても、バランスシート上ではその1000万円は「資産」としてカウントされます。
ですから、お金を持っている大富豪が、あえて借金をして、さらに大きな利益を生み出すのです。