「『今の時代はハイブリッド車でしょ! 買い換えたほうがいいわよ』と言われました。確かに我が家の車の使用年数や走行距離を考えると、買い替えを検討してもいい時期なのですが、そんなお金の余裕はありません。『車のグレードを落としたらいい』とか『中古車でもいいじゃない』などと何度も言われて、うんざりします……」
とはいえ、新しい車が気にならないわけではないそうで、近所の中古車販売店を覗いたところ、いいなと思った軽自動車の価格が100万円超で驚いたという。「ガソリンどころか車体価格も高い……もうマイカーは庶民の持ち物ではなくなってきていますね」と悲しそうな表情で話していた。
止まらない値上げラッシュは国民の生活を大きく苦しめている。賃金アップが見込めない企業や雇用条件で働く人も多いなか、個人による節約の努力だけではどうしようもない状況になったと感じる。自販機での飲み物購入にしろ、マイカーの所有にしろ、今まで“普通”だった生活が、“贅沢”なものへと変わりつつあるのだろうか──。
【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。趣味はドライブをしながら道の駅を巡ること。