泊まり込みで創業家の墓守り
今から30年以上も昔、大手企業E社に勤めていたYさん(50代/女性)は、「これがオーナー企業か」と感じざるを得ない社内ルールに驚いた。
「グループの創業家の墓を社員が交代で守るルールがありました。社員が2人1組になり、霊園の最寄り駅に集合。掃除をしたり、鐘をついたり、泊まり込みで墓を守るんです。泊まる場所にお風呂はなく、寝る時は畳に布団を敷くだけ。食事は弁当を持ち込み、アルコールは確か禁止でした。
鐘のつき方にはルールがあって、間違えるとクビになるという噂もありました。最後は日誌に記入するのですが、『○○様のお側にいることに身が引き締まる思いでした』とか『今後、より一層○○社のために精進して参ります』などと書いてあって、いま思えば気持ち悪かったですね」
部署を超えた社内合コン
中堅メーカーのF社に勤めているMさん(40代/男性)は、社内の独特なルールのお陰で良縁に恵まれた。
「ウチの会社のトップは、“良い人間関係を築くことが会社の発展に繋がる”という強い信念の持ち主。社員同士の飲み会には手厚い補助があり、コロナ前には部署を超えた合コンも開催されていて、社内恋愛が異常に盛んです。社内結婚するとお祝い金が出る上、結婚生活が続いている限り、毎月、手当てが付きます。
私はそういったこととは距離を置いていましたが、30代に入って上司の薦めで社内の女性を紹介され、結婚に至りました。こういった方針のせいか、弊社の離職率は低く、結婚や出産で女性が退職を余儀なくされることもないので、対外的には評価されていますが、恋愛に興味がない人には苦痛かもしれませんね」