工場対抗の「ガチ運動会」で怒号が飛び交う
重厚長大産業のG社で働くHさん(40代/男性)は、運動会シーズンが憂鬱だった。
「社内運動会が異常にガチなんです。方式は工場対抗戦で、競技種目は綱引きや玉入れなどオーソドックスなものばかりですが、本番前に練習するのは当たり前。徒競走やリレーはしっかりタイムを測って選手を選びます。何年か前には、あるチームのリレー選手に陸上の中距離のインカレチャンピオンがいて、『流石にそれは反則だろ』とクレームが入る珍事件もありました。
あまりに本気でやるので、怒号が飛び交ったり、リレーで負けて泣く人も現れます。怪我人が出るのもしょっちゅうで、アキレス腱を切った人もいます。部外者から見れば変な会社ですよね。ここ数年はコロナで休止していますが、またやりたいような、このままなくなって欲しいような……」
こういった独特なルールは、入社してみないと分からないものばかり。ただ、「社員だった頃は、とりたてておかしなルールだとは思わなかった」(Kさん)という意見もあり、中にいるとそれが当たり前だと思ってしまうケースも少なくないようだ。(了)