そんな“お荷物”が6四半期ぶりに黒字転換したことで、ソフトバンクGがV字回復すると見る市場関係者は多い。
「いよいよ反転攻勢の時期が近づいていると感じております」
6月21日に開かれたソフトバンクGの定期株主総会。壇上に立った孫氏はプレゼンテーションの冒頭で高らかに宣言した。溢れる自信の源が、SVF傘下の英半導体大手「アーム」の存在だ。
8月8日、日本経済新聞はアームが9月、米ナスダック市場に上場予定だと報じた。この上場によって孫氏は過去最大クラスの資金を調達できることになる。
「アームは2016年に孫さんが約3兆円で買収し、ソフトバンクGが75%、SVFが25%の株式を保有しています。現在、半導体やプロセッサー関連株の急騰でアーム株は前年比200%アップの爆騰状態。上場時の時価総額は8兆6000億~10兆円規模に達すると予想されます。
孫さんは多額の負債が懸念されてきましたが、アームの上場で資金調達に余裕ができました」(関氏)
爆発的な成長
孫氏は2022年11月の9月期決算説明会で同社について「ものすごい技術革新がある」「アームの爆発的な次の成長に私は没頭する」と言及した。その先に見る「夢」を熱く語ったのが前述した6月の株主総会だ。
「グループをあげてAI革命を担っていきたい。(AIの知能は)数十年以内に、全人類の英知の総和の少なくとも1万倍になる」