お湯はいいけど、洗い場の椅子が…
共同利用が苦手な人もいる。メーカーに勤務する30代女性・Bさんは、洗い場の椅子や、脱衣所のマットなどが苦手だと言う。
「大浴場の湯船は別に平気なんですが、誰かが座っていた洗い場の椅子は苦手ですね。洗い流せば平気という人もいるんでしょうが、私はそれでも気になる。結局、いつもそれは使わずに、頑張ってしゃがんで体や頭を洗っています。脱衣所のマットも、なんとなく触れたくない。家族や友人の家ではそうは思わないので、よく知らない人と共同で使うというのが苦手なのかもしれません」(Bさん)
デートで行く意味がわからない?
大浴場そのものは嫌いではないけど、誰かと一緒に行くのが苦手という人もいるようだ。金融機関に勤務する20代女性・Cさんが言う。
「私は温泉や銭湯が好きなのですが、彼に日帰り温泉に行きたいと言ったら、あまり行きたくないような顔をされたんです。何故か聞いてみると、『日帰り温泉の大浴場は結局男女別々になる。一緒に過ごす時間が少なくなるなら、デートで行く意味はない』といったようなことを言われました」
どうにも納得がいかない様子のCさんだったが、Cさんの彼氏にも言い分がある。
「何度かスーパー銭湯に一緒に行ったことはありますよ。でも、大体待たされる羽目になる(笑)。その時間がもったいないな~なんて思ってしまうんですよね。何分後、とか待ち合わせても、僕は15分でいいのに彼女はそれだと不満のようで、ケンカになったこともあります。入浴時間って個人差があるから、難しい。
そういったことが続くと、僕は時間を持て余すし、彼女は彼女で焦って出てくることになる。大浴場そのものが嫌なわけではなくて、水着で一緒にワイワイできるようなところや、いっそ泊まりで、旅館の大浴場とかなら全然いいんですけど……」
大浴場だからといって、誰もが心からくつろげるというわけではないようだ。(了)