ガソリン代が高騰し、レギュラーガソリン1リットルあたりの全国平均価格が180円を超えた(8月中旬時点)。円安や原油価格の高騰に対して、石油元売り会社への補助金打ち切りも取り沙汰され、さらなる価格上昇も懸念される。連載「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」。今回は自動車ライター・佐藤篤司氏が「ガソリン高騰」時の「燃費の味方」となるクルマ選びについて解説する。
プリウスのPHEVとHEVは?
今回は「クルマ選び」という観点で、ガソリン高騰への防衛策を考えてみます。
「燃費の味方」といえば、トヨタ・プリウスの「ハイブリッドモデル(HEV)」と、充電ができる「PHEVモデル」の2台です。PHEVについては、バッテリーの電力だけで走行できるEVモードで、カタログ値では19インチタイヤ・ホイール装着モデルは87km(WLTCモード)ですが、実際にはエアコンもフル稼働で約52km走行できました。往復50km以内の通勤や買い物での日常利用であれば、ガソリンはほとんど消費せずに走れます。
一方で自宅での充電を「新電力料金目安単価」でみると、現在は約31円/kWh(税込)。プリウスのPHEVを満充電にするには普通充電(200V/16A)で約4時間30分が必要になり、メーカー公表値ではゼロから充電した場合には約427円/回となっています。最近は電気料金も上昇していますが、50km少々走行するだけであれば、ガソリン代は2.4リットルと同額で走れることになります(180円/lで計算)。結果としてPHEVはEVモードを使い切り、その後は普通充電をせずに、一般的なハイブリッドとして走り、トータルで233.9kmを走行。燃費は「23.4km/l」でした。