また急速充電の一充電にかかる時間は30分かかります。ここでコーヒーブレイクというのも悪くないですが、この時間や飲み物代などを「もったいない」と考える人にとっては、BEVはまだ現実的ではないかもしれません。
こうして見ると、クルマ選びにはこれまで以上に「燃費」や「電費」が大きな意味を持ってきます。カタログの「WLTCモード」の70%が、実質的燃費(電費)と考え、比較検討してみてください。最近では輸入車のルノー・アルカナE-TECHエンジニアードの燃費の良さや、VWのBEV、ID.4の使い勝手の良さにも感心しました。
こうした燃費や電費の良いクルマを選ぶだけでなく、「急アクセルを控え」、「無駄な荷物を降ろし」、「車間距離は2秒間(前のクルマが目印を通過した2秒後に自分が通過する)」といった「優しい運転」を心がけることも、省燃費にかなり効果あります。また近隣の地域のガソリン価格をチェックし、安いエリアで満タン給油する、というのもよく使う手ではあります。ただ、これもわざわざ出掛けていくだけの効果があるかどうか、そのバランスを考えて判断してください。こうした燃料代の節約につながる努力は、今後もしばらく必要になるでしょう。
それにしてもレギュラー200円/lを超えたら、果たして政治はどんな対策をとるのでしょうか。頼むから政争の具にして付け焼き刃な政策だけはとらないよう願います。
【プロフィール】
佐藤篤司(さとう・あつし)/男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書「クルマ界歴史の証人」(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。