SNSにアップする前提で訪れる客
TYCに足を運んだことがあるという女子学生・Bさん(20)は、その魅力をこう語る。
「サークルの友達に『TYC知ってる? 一緒に行かない?』と誘われて一緒に足を運んだところ、思いのほか面白い空間でハマってしまいました。Z世代にウケている理由は、やっぱりSNSでの話題性だと思う。今バズっている場所で、かつ友達と一緒に遊びに行くという感覚なので、ただお茶をする以上の付加価値があると思いました」(Bさん)
別の女子学生Cさん(20)は、大学のゼミのフィールドワークの一環で訪れたという。
「私は経営学部のマーケティングのゼミに所属していて、ゼミの先生に『ゼミのメンバーで一緒に体験しに行ってみたら?』と提案されて、先日友人と行ってきました。おしゃれな場所だけど威圧感がなくて、店員さんたちと友人のように会話できる新鮮さで、ずっと笑って過ごせました。
周囲のお客さんも10~20代が多く、みんな一生懸命動画撮影をしたり、写真撮影をしたりしていたので、SNSにアップする前提で訪れていると思います。グッズを買っている人もいて、場所を楽しむだけじゃなく、記念になるモノも買いたい、身につけたいと思わせる仕掛けが魅力だと感じました」(Cさん)
“インスタ映え”という言葉が流行したのが2010年代末。前出のAさんによれば、現在のZ世代トレンドは、「短尺でも面白さが共有できる、TikTokでバズりやすい“体験=コト”」に移行しているという。TYCはまさにそうした要素にハマるエンタメ空間として、注目されているのだろう。(了)