大きな事故にあわずとも、日々の生活で少なからず起こる危険といえば、けがや火傷。 特に地震などが起きた場合は、ガラスの破片などが刺さって出血を伴うけがをすることも想定される。日本赤十字社事業局救護・福祉部健康安全課の武藤裕美さんが語る。
「大人の体には約4~5L(体重のおよそ8%)の血液が流れており、出血によって1L以上の血液が失われると生命に危険が及びます。体が小さい子供の場合は少ない出血量でもショックを起こします。出血が止まらない場合は、ただちに止血をしなくてはなりません」(武藤さん・以下同)
止血をするときはガーゼやハンカチを使う。
「けがはどこでするかわかりませんから、できればいつも清潔なハンカチを2枚持っておき、1枚は手や汗をふき、もう1枚は、緊急時のときに役立てましょう。
直接、傷口に手が触れると雑菌が入って傷が化膿する可能性があるため、手袋代わりにビニール袋をかばんに入れておくのもいいですね」
出血の手当ては直接圧迫止血を行う
出血の手当て方法は「直接圧迫止血」と「止血帯止血」がある。
「止血帯止血は専門知識が必要なため、まず覚えてもらいたいのは直接圧迫止血です。これは出血している傷口をガーゼやハンカチなどで、直接強く押さえて止血するものです。
このとき、ティッシュを使うと紙の繊維が傷口に付着して治療の妨げになるので、使用は避けてください。止血するときは、ビニール手袋をするか、手にビニール袋をはめて行いましょう」