二刀流で大活躍する大谷翔平選手が、目標達成のために作った「マンダラチャート」。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子さん(66才)も、そんなマンダラチャートづくりに挑戦した。オバ記者が最大の目標として設定したのは「豊かな老後」。そのために必要な8つの目標として、「健康」「ダイエット」「終活」「人間関係」「運」「お金」「IT化」「断捨離」を設定した。後編では「運」「お金」「IT化」「断捨離」について、オバ記者が解説します。【前後編の後編。前編から読む】
【マンダラチャート】
仏教の一流派・密教で用いられている「曼荼羅図」(まんだらず)をヒントに作られたのが「マンダラチャート」。中心部の9マスが基本となる。真ん中のマスに「強い目標」や「夢」をまず書き込む。次にそれを達成するために必要と思われる要素を考えて、周りの8マスに書く。8項目それぞれを中心とした9マスがさらに外に拡がっているので、これらにも書き込んで81マスを書き上げる。(*「マンダラチャート」は一般社団法人マンダラチャート協会の登録商標です)
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【4】「人間関係」イヤなことを言ったら、その顔で固まるよ
「人間関係」は、とにかくトラブルを避けるに尽きる。若いうちなら言いたいことを言い合って切磋琢磨もいいけれど、お互い年を重ねたら「言ってどうする」ということばかり。余計な口出しは無用なんだって。
接近戦はできるだけしない。嫌われたら嫌われていいし、男女ともに好きだなと思う人がいても、そこそこのつきあいにする。
それでもし、多少の火の粉をかぶってもお近づきになりたい人ができたら? そりゃあ、いくわよ。からむわよ。
どうしたことか、毒舌が魅力なのはせいぜい50才まで。それを過ぎると言葉に凄みが増すせいか、笑えない。なら、たとえ“おべんちゃら”と思われても、当たりのいいことだけ言っておいた方がいい。それに、イヤなことを言うと言ったときの顔が形状記憶になって戻らなくなるよ。だから、「陰口禁止」。欠席裁判を楽しむなら、クソみそに言っているようで最後まで落とさない知性と人間性とユーモアのセンスがないと。その自信がないなら、しゃらくさいことは言わないことです。
ここ数年、遺族席に座りっぱなしなんだけど、弔問に来てくれた人の顔を見たときの心強さといったらない。結婚式は断ってもお葬式には出ないとね。だから、「お弔いを大切にする」。
人間関係では「深入り禁止」。これも肝に銘じたい。体調が悪そうなのに検診を受けない人を病院に連れていくことはできないし、自暴自棄になった人と元の関係に戻るのはムリ。もっと言えば、不幸な人には近づくべからず。もししがみつかれても、その手を振り払える薄情さが必要と思う出来事が最近いくつかあったばかりだし……。
お金を介した人間関係にも気をつけたい。「人にお金を貸したら友情は終わる」というけれど、それは多額だからじゃない? 身に覚えがあるからわかるけれど、人から5万円借りて息を吹き返すことだって長い人生にはあるよ。返ってくればその人がピンチを脱したということだからうれしいけれど、返ってこないと、まだ返せないんだなとうっすら心配になる。でも気になるほどではない額が私にとって5万円だね。
あと、生涯現役を貫くには、仕事仲間を大事にしないとね。それが、ひとり暮らし歴36年の総論。元気なときのひとりは心地いいけれど、気が弱ると地獄の釜のフタが開いたよう。そんなときに、いらぬ人間関係をつくってトラブルを増やすのよ。
寂しくなったら、おいしいものを食べて早く寝るに限るよ。