投資情報会社・フィスコが9月4日~9月8日のドル円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル円は下げ渋りか。日本政府による為替介入への警戒感から、リスク選好的な円売りは抑制されると予想され、ドルの下押し要因になりやすい。FEDウォッチによると、9月19-20日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが9割近く織り込まれている。ただ、米追加利上げの可能性は残されており、今週発表される米経済指標が市場予想を上回った場合、金利高・ドル高に振れやすい。
直近発表の消費者信頼感指数やJOLT求人件数、コアPCE価格指数は低調な内容が目立ったが、今週発表の経済指標でISM非製造業景況感指数が堅調なら引き締め観測を支える材料になろう。一方、中国経済の不透明感は引き続きリスク回避の円買い要因だが、足元で中国経済の現状について過度な懸念は一服している。習政権による資本市場の活性化策で中国・香港株が堅調さを維持できれば、株高を背景とした円売りがドルをサポートしよう。
【米・7月貿易収支】(6日発表予定)
6日発表の米7月貿易収支では、輸出額が増加するかどうか注目される。輸出額が増えた場合、貿易収支の改善要因となる。
【米・8月ISM非製造業景況指数】(6日発表予定)
8日発表の米8月ISM非製造業景況指数は52.3と、前月の52.7からやや悪化の見通し。ただ、想定に沿った内容なら景況感は悪化せず、ドル売り材料にはなりにくいだろう。