最高のツールに最高のパートナーを積み込む
早速、積み込みのツールとして「ラダー(はしご)」を2本、バイクを固定する「タイダウンベルト」を2本、床に傷が付かないようにする「板切れ」を数個、キズ防止のタオル数枚などを準備。一から揃えるのはなかなか大変ですが、バイクを車載するときには最低限、これぐらいは用意します。
N-VANのワンタッチで床下にプルダウンできるシート。操作はほぼワンタッチで行えるため、あっと言う間広々とした車載スペースが出現。バイクを搭載しなければ車中泊や、スキーやボードなどを積み込んでフィールドの出掛けることができる、レジャーの万能アスリートとも言える存在です。
早速、フラットになった車室内にラダー2本を使用しての積み込みです。ダックスは小型とは言え107kgの重量がありますからエンジンをスタートさせて、慎重にアクセル操作をしながらの作業になります。一方、クルマから降ろす場合にはエンジン始動は不要ですが、こちらも慎重に行わないと大きなケガを負うリスクがありますから、注意が必要。
さて積み込んで車室内の各所に装備されたフックとタイダウンベルトを使いながら固定完了。念のためにダックスのギアを1速に入れてタイヤもロック。この作業にもある程度の慣れが必要で、今回は20分ほど炎天下で格闘。結局は汗だくになりながら搭載を完了しました。
走り出すとN-VANは100kgの重量物を積みながらも快適に加速していきます。コーナーでもロールはしますが、流れに乗りながら安定した姿勢で走ります。個人的には駐車場と予算にゆとりがあれば、セカンドカー、あるいはサードカーとしてN-VANは最有力になります。商用車ですから、軽乗用車で人気のN-BOXのようなしなやかな乗り心地ではありませんし、ロードノイズなども結構入ってきます。でも“楽しいオモチャ”を積んで走る時はそんなことも気になりません。
思いのほかリースナブルに楽しめる6輪ライフ
目的地に到着したところでクルマを止め、ダックスを降ろします。この時に注意しなければいけないのは「有料駐車場に4輪を停める」こと。道の駅などの公共施設や地方スーパーなどの無料駐車場に停車するのはマナー違反、最悪の場合は不法侵入となる場合もありますから、バイクを降ろした後は有料駐車場に停めます。
ここからはダックスでツーリングの開始です。このダックス、我々おじさん世代にとっては高校時代に通学で乗ったり、4輪のライセンスを取得するまでのパートナーとして人気でした。そのスタイルは犬の「ダックスフンド」をイメージし、1969年のデビュー当初は「ダックスホンダ」と呼ばれていました。それが現在でもスタイリングを踏襲しつつ、最新の感性を取り入れながら、ちゃんと高い人気を保っているのです。事実、私の友人達がリターンライダーの宣言を行ってすぐにスーパーカブシリーズやモンキー、そしてダックスを購入した人たちがいます。
またがってみると両足もしっかりと地に着いた安心感があります。空冷の123cc、単気筒4ストロークOHCエンジンは軽やかな、どこか懐かしいエンジンサウンドを響かせます。クラッチ操作や頻繁なシフト操作を必要としない自動遠心クラッチを採用した4速トランスミッションを1速に入れ、走り出します。力強い出力特性のおかげでしょうか、心地よく加速していくと同時に、爽やかな風を全身で受け止めながら、道の駅や無人の野菜販売所、さらには事前に調べたカフェ、観光ビューポイントなど次々と巡りながら楽しいツーリングが続きます。バイクは本当に気軽で手軽で、観光ポイントを巡るときには最良のパートナーとなります。
こうして3時間ほど過ごし、N-VANに戻って、積み込みます。多少は慣れて15分ほどで完了し、帰路につきます。途中、雨にも降られましたがもちろん問題なし。