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【日本株週間見通し】今週は上値の重い展開か 米CPIにも注意

 ほか、米国と中国では小売売上高や鉱工業生産が発表される。最新の米ISM非製造業景況指数が予想を上回ったこともあり、即座に個人消費の減退が懸念される可能性は低いだろうが、今回の米小売売上高の結果は、前回が強い結果だったこともあり、伸びの鈍化が予想されている。自動車・ガソリンを除くベースでは8月は前月比+0.0%と7月(+1.0%)から大幅に失速する見通しだ。

 可能性としては高くないが、仮に米CPIが予想を上回る一方で米小売売上高が予想を下回るといったネガティブな組み合わせ結果となった場合には、追加利上げ観測が高まる一方で景気減速が意識される。この場合、米債券市場では短期金利が上昇する一方で、長期金利は低下することが予想され、為替は円高に振れる可能性がある。あまりに悲観的過ぎるかもしれないが、この場合には日本株はダブルパンチに見舞われることになる。

 仮に米国の物価・景気の指標が無難な結果に終わったとしても、翌週には米連邦公開市場委員会(FOMC)や日本銀行の金融政策決定会合を控えているため、大幅な株価の上昇は期待しにくい。なお、14日には欧州中央銀行(ECB)定例理事会が一足先に開催される。スタグフレーション(インフレと景気減速の併存)的な状況に陥っている欧州経済の金融政策運営は厳しい状況に置かれており、ECBの決定やラガルド総裁の発言に注目したい。

 ほか、テクニカル面で気がかりな点がある。連騰劇を見せていた日経平均だったが、先週末にかけての下落により、7月3日、8月1日、9月7日の高値を結んだ上値切り下げトレンドが形成されている。東証株価指数(TOPIX)ではまた見え方は異なるが、米国でもS&P500種株価指数やナスダック総合指数が50日移動平均線を再び下回っており、総じて世界の株式市場の地合いは良好とは言い難いようだ。

 個別では三井ハイテック<6966>、ラクスル<4384>、ANYCOLOR<5032>、マネジメントソリューションズ<7033>などに注目だ。米長期金利が高止まりしているなか、ハイテク・グロース(成長)株にとってはまだ厳しい状況だが、三井ハイテックの決算で再び電気自動車(EV)関連の物色が強まるかを見極めたい。また、後の3社についてはグロース株に対する投資家のセンチメントを推し量る材料として注目だ。

 今週は11日に8月工作機械受注、13日に7-9月期法人企業景気予測調査、8月企業物価指数、米8月CPI、14日に7月機械受注、米8月小売売上高、米8月PPI、ECB定例理事会、15日に中国8月鉱工業生産、中国8月小売売上高、米8月鉱工業生産、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数、などが予定されている。

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