投資情報会社・フィスコが9月11日~9月15日のドル円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めは長期間継続されるとの見方は変わっていないが、ただ、1ドル=150円レベルが視野に入っており、市場参加者は日本政府・日本銀行による為替介入を警戒している。米CMEのFedWatchツールによるFEDウォッチによると、今月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利が据え置きとなる確率は90%を超えているものの、11月以降に利上げが行われる可能性は残されている。
今週の注目材料は米インフレ関連指標。8月消費者物指数(CPI)は前年比+3.6%程度、同コア指数は+4.3%程度と予想されている。全体の物価指数は7月実績を上回るため、コア指数が市場予想と一致した場合、ドル売り・円買いを抑制する可能性はあろう。また、15日発表の小売売上高やNY連銀製造業景況感指数、ミシガン大学消費者信頼感指数も材料視される。堅調ならFRBの引き締め方針を後押しする材料となり、金利高・ドル高が見込まれる。ただし、円安が急速に進行する局面では日本政府から円安けん制が相次ぐことも予想される。実際に円買いが行われる可能性は低いものの、円安けん制を受けて投機的なドル買い・円売りはやや縮小する可能性がある。
【米・8月消費者物価コア指数(CPI)】(13日発表)
13日発表の米8月CPIは前年比+4.3%と予想。コア指数の伸びは鈍化が続いているが、総合は2カ月連続上昇が見込まれ、ドル買い要因になりやすい。
【米・8月小売売上高】(9月14日)
14日発表の米8月小売売上高は前月比+0.2%と、7月の+0.7%から失速する見通し。前月は予想外に堅調で米国の個人消費の力強さが好感されたが、予想通りならドル売り要因となろう。下げ渋りか。日本政府による為替介入への警戒感から、リスク選好的な円売りは抑制されると予想され、ドルの下押し要因になりやすい。