個別指導塾の講師がこう話していた。
「たくさんコマを入れがちなのは高学歴な保護者です。自分は勉強ができたから子どもだって、自分と同じぐらいにはできるだろうと思ってしまう。子どもの成績が上がらないと量が足りないんだと考えて、コマを追加しちゃうんですよ」
それだけお金をかけて、結果が出なければ、クレームもつけたくなるだろう。
次回からはそういった「高学歴な親の子どもが中学受験に苦戦するケース」を紹介していこう。高学歴な親の子の中学受験がうまくいかないのは「高い学力が遺伝しなかった」と考えられる時だけではない。親の知能を受け継いでいるように見えるが、うまくいかない例もしばしば見受けられるのだ。
その理由として、「受験に求められる地頭」が変化していることを説明していこう。
【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)も話題に。『中学受験ナビ』(マイナビ)では小説『ボリュゾっていうな!~ギャルママが挑む“知識ゼロ”からの中学受験ノベル~』を連載。