湘南美容クリニックを運営するSBCメディカルグループ・経営戦略本部の佐々木恵理さんによると、そもそも、エステサロンと美容クリニックとでは、使用する機器がまったく異なるという。
「毛が生えてこないように脱毛するには、医療用の脱毛機器によるレーザーで毛根を破壊する必要があり、この行為は医師法で医療行為として定められています。機器を扱えるのは、医師、または医師の指示を受けた看護師のみです。
サロン用の機器は医師でなくとも扱えますが、毛根を破壊することができないので、次に生えてくる毛を薄くする『抑毛』と考えるのが正解です」(佐々木さん)
当然、1回あたりの効果にも差があり、通う回数も必然的にエステサロンの方が多くなる。そのため、効果が高いクリニックなら施術を受ける回数を抑えられることになる。
「通常、わき脱毛なら6回ほど受ければ終了しますし、毛が濃い人でも10回も受けずに終わります。低額で通い放題をうたうエステサロンよりも、医師のいるクリニックで医療脱毛を受けた方が安全なのはもちろん、結果的に時間もお金も節約できます」(林さん)
出力が弱いサロン用の機器ならば、肌へのダメージも少ないかと思いきや、必ずしもそうではない。
「終了後、照射された四角い部分の色素が抜けて白くなってしまいました。病院に行ったけれど、もとに戻るのは難しいとか。脱毛できないどころか肌も傷ついてしまって、しばらく施術は受けたくありません」(前出・Bさん)
さらに恐ろしいことに、医師がいなければ使用できないはずの医療用機器を使用しているサロンもまれではない。
「闇ルートで医療用の脱毛レーザーが転売され、エステサロンで使用されていることがあります。やけどのトラブルが起きるエステサロンは、医療用の脱毛レーザーを不正使用している場合が多いのです」(林さん)