担当者の電話番号を掲示
当事者たちは、どのように思っているのか。東海地方で訪問介護サービスに従事しているSさん(60代/女性)は日々、個人情報を晒しながら仕事をしている。
「1日に数軒のお宅を回る際の交通手段は自転車ですが、自転車のカゴに会社名・私の名前・会社用のスマホの番号・経歴(介護業界○年目)が記されたプレートがくっついていて、『介護でお困りの際は、当地区の担当者にお気軽にお声がけ下さい』と書かれています。要するに“走るサンドイッチマン”です。
実際に電話が掛かってきたこともあって、売り上げに繋がると手当が貰えますが、その額は雀の涙。子供は“変な人から電話が掛かってきたらどうするの?”と心配していますが、今のところトラブルはなく、もう慣れましたね」
配送業者のAさん(30代/男性)もSさんと状況は似ている。
「地区の配送拠点からお客さんの家までリヤカー自転車で配送していますが、自転車には会社のロゴ・支店名・担当者名・担当者の携帯番号が書かれています。
リヤカーを止めていると、“こんなところに止めるな”というトラブルが必ずあり、素早く対処出来るように携帯番号を掲示しているのですが、“荷物を送るから取りに来て”といった電話が来ることもあって……。常に“適当なことは出来ないな”という緊張感はあります」(Aさん)