一人分なら惣菜が圧倒的に安い
自炊かそうでないか、どちらが節約になるかの分岐点は「作る量」や「料理の種類」にある。具体的にシミュレーションしてみよう。
例えば餃子。手作り(50個)するために、にら、キャベツ(もしくは白菜)、豚ひき肉、餃子の皮を買い揃えれば800円前後かかる。“日本一売れている”あの冷凍餃子(12個入り)は1袋約240円。電子レンジで温めるだけのコンビニの餃子は6個入りで約260円、スーパーの総菜は8個で約400円と、同じ数で比べると、確かに手作りが優勢というところだろう。
ワンプレートですませたい場合の代表格・パスタはどうだろう。具だくさんのミートソースパスタにしようと思って材料を買いに行くと、牛ひき肉(または豚ひき肉)や玉ねぎ、ホールトマト缶、にんにく、にんじん、マッシュルーム、パスタなどでだいたい1200~1400円。これでおよそ4~5人分となる。麺はゆでてもレトルトソースを使用すれば1人あたり250円ほど。コンビニ弁当として買うと400~500円だ。この場合も、家族が多ければ作った方が安くなるが、1~2人分なら麺はゆでたとしても、レトルトソースの活用が断然お得。
栄養を考えて、一汁三菜の食卓を整えてみよう。メインに焼き魚、副菜にポテトサラダと漬けもの、きのこと豆腐のみそ汁、ご飯とした場合、魚の切り身は生のものを買っても、総菜など調理済みのものを買っても価格に大きな差はない。ポテトサラダは、作るならじゃがいもやにんじん、ハムやきゅうりなどを買って3~4人分で600円ほど。総菜で購入すると120gで150円くらいだ。
みそ汁や漬けものは種類によって価格に開きが出そうだが、この一汁三菜の場合、最もネックとなるのは手間。自分ひとりのため、もしくは夫とふたりのために、いつもこれだけのことが果たして本当にできるだろうか。
長期保存できるものは手作りを
価格的には安く上がっても作る労力を考えた場合、買った方がいいという判断もある。丸山さんが言う。
「最近は、50個入りで500円台の冷凍餃子も売っていますし、大量に作る=安上がりと言い切れない面もある。また、油や調味料の値上げも続いていて、揚げ物などは買った方が圧倒的にコスパに優れています」