そしてランクル250の発表と同時に、業務用途や過酷な環境での使用を主体に考えたモデルの「ランクル70」も継続販売モデルとして日本市場に復活してきたのです。1984年に登場したランクル70は世界中で愛用されていましたが、2004年に日本での発売を終了。その後、2014年には「発売30周年記念モデル」を台数限定で再販したのですが、こちらも機能だけでなくクラシカルな佇まいが、ランクルファンを中心に人気となり、あっと言う間に完売でした。それ以降、ランクル70の新型車を入手する方法はなかったのですが、今回、運転支援システムなどの最新機能といったアップデートが行われた“新型”が、発売から40年を記念して再々販売となったわけです。
ランクルにあまり詳しくない人にとってみると、上から「象徴の300」、シリーズ中央には「生活実用として活躍する250」、そして「クラシカルなスタイルと頼もしい悪路走破性を持った普遍のヘビーデューティー70」といった具合に、数字によって個性を見分けることができるようになり、イメージしやすくなりました。
都市型SUVの色が薄まり、ハード路線になった「ランクル250」
ランクル250は、旗艦モデルのランクル300と同じGA-Fプラットフォームを採用しています。ひと足先に北米で公開されたレクサスGXと兄弟車となることを考えると、走りの上質さは、かなりレベルが高そうです。トヨタもランクル250を「原点回帰」と表現していますから、ハイレベルな悪路走破性を実現しているはず。“都会派のランクル”といった色合いは少し薄まり、「質実剛健なランクル」という個性がより明確になるはずです。
そんな走りの性格を表現するかのようなエクステリアは力強さを感じさせる直線基調。ボクシィでスクエアなボディは力強さを感じさせます。最近のヘビーデューティーなSUVには、こうした箱形デザインが多くなっていて、逆に没個性になりはしないか? そんな懸念も湧いてくるかもしれませんが、それはランクル250の顔を見たときに消えました。都会的な印象のある切れ長なヘッドライトを採用したフェイスだけでなく、丸型ヘッドライトの愛くるしい表情も選択できるといった自由度は、これまでのランクルにはない魅力として評価してもいいと思います。
そのボディサイズですが、プラドに比べてかなりのサイズアップになっています。全長は4925mm、全幅は1980mm、全高は1870mmですから、ランクル300と同等。正直に言えば、もう少し小さくても、扱いやすくて良かったのでは、とも感じましたが、こればかりは実際のドライビングでどう感じるかも重要な要素になりますから、試乗を楽しみに待ちたいと思います。