いまや定年を超えても働く人はめずらしくない。60才を超えて資格を取り、「第二の人生」を謳歌している人の体験を通じて人生後半戦をより豊かに生きるヒントを探ってみた。
建築設計事務所やドッグサロンなどで働き、二級建築士やドッグライフカウンセラー、ドッグトレーナーなど、仕事をしながら数々の資格を取得してきた新井美代さん。そんな彼女が定年後に取得した資格が「ピラティスインストラクター」だ。
「60代になって腰椎椎間板ヘルニアを患って手術した後、主治医から運動して筋肉をつけるよう言われたんです。
どんな運動をしたらいいか考え、いろいろ調べていくうちに行き当たったのが“コア”と呼ばれる体幹部分にあるインナーマッスルを鍛えるピラティス。どうせやるならしっかり勉強したくなり、東京のスクールや通信教育で習い始めました」(新井さん・以下同)
各種エクササイズはもちろん、ピラティスの歴史や骨格、筋肉の解剖学など幅広い知識を身につけて、2年半ほどで資格を取った。
「最初は体に筋肉がついていなかったため、一つひとつのエクササイズを実践するのに苦労しました。呼吸法や解剖学など覚えることが多いのも難題でしたが、通学中や家事の合間に勉強して、やっと合格できました」