それでは、どういった個別株を選べばいいのか。掲載の表に沿って解説していく。藤井氏は「割安な大型株」が狙い目だという。
「長らくデフレだった日本経済は、ついに物価高騰のインフレ局面に入ったと言えます。インフレ下では現金の価値が下がるので株などに資金が流れますが、最近の傾向として外国人投資家たちが流れをリードする展開が目立ちます。
彼らは投資先として、知名度が高く、資産に対してどれだけ株が買われているかを示す指標PBR(株価純資産倍率)の低い割安な『バリュー株』を選ぶ傾向が強い。となると、メガバンクや財閥系商社といった株価が割安かつ超有名な企業が今後は狙い目とみます」(藤井氏)
一方、グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏は、「業績好調で長期の見通しが良く、独自の強みを持つ銘柄」に注目する。
「業務用インクジェットプリンターなどの世界トップシェアメーカーであるローランド ディー・ジー・は、2022年12月期に世界的な需要回復・拡大を受けて過去最高売上を更新し、今期も過去最高売上を達成する見通しです。独自の強みがあり、堅調な企業なら一般NISAで5年間保有しても安心で、状況次第では大化けも期待できるでしょう」
プロの指摘を参考に、年内の駆け込みNISA開設も有力な選択肢だ。
※週刊ポスト2023年10月6・13日号