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かつての“駅そば日本一”が絶滅の危機から復活 日本最北端の地で「新・音威子府そば」を提供する店主の思い

復活した「新・音威子府そば」を食べてみた

『IKERE』の新・音威子府そばメニュー表

『IKERE』の新・音威子府そばメニュー表

“IKERE”は、アイヌ語で「感謝」という意味だ。お客さんにお腹いっぱいになってほしい、という竹本氏の思いが込められているという。

 メニューはかけそば、もりそば、天ぷらそば、ぶっかけたぬき、カツとじそばの5種類。かけ・もりそばにネギトロ丼、もしくはうな丼もついた「限定そば定食」もある。筆者が注文したのは、「冷たいぶっかけたぬき」(770円)。昆布が香るツユに、ネギと砕いた天ぷらがのっている。

 噂に聞いた通り、真っ黒な色をした太めの麺で、口に入れると風味豊かなそばの香りが一気に広がる。天ぷらを砕いてのせるという一手間が効いていて、サクサクの食感が抜群だ。だしには利尻昆布が使われていて、そのこだわりも感じる。

 窓の外に広がる緑豊かで広々とした景色のなか、澄んだ空気に鼻に抜けるそばの香りがよく合う。もともとの「音威子府そば」を食べたことがない筆者だが、まるで北の大地からの風が吹いてくるようで、そばのおいしさはもちろん、店員の方々の気さくな雰囲気や笑顔も含めて、大満足の時間だった。

 人々に愛されてきた“伝説のそば”は、思いのバトンを引き継ぎ、新たな門出を迎えている。(了)


>次ページは、【写真】JR宗谷線・音威子府駅や『IKERE』の店内など

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