【3】非課税保有期間が無期限化される
これまで、つみたてNISAは20年間、一般NISAは5年間と非課税期間が限定されていた。
「そのため、期限がきたら売却したり、通常の課税口座に移管するなどしなければならず、制度開始当初から不満の声が上がっていました。そもそも『老後に向けた資産形成を応援する』という制度の趣旨からすると、5年や20年という期限を設けること自体に無理があり、長期運用の妨げとなっていました。
今回の改正で、この非課税期間が無期限になり、売却や煩わしい手続きが一切必要なくなるわけです」
【4】売却すれば、一度使った非課税枠が復活する
今回の改正で最も画期的なのが、「売却すれば一度使った非課税枠が復活する」という点だろう。
「これまでの一般NISA口座では、非課税枠を使って商品を購入すると、たとえそれを売却したとしても、その枠はもう使えませんでした。例えば年間限度額120万円のうち80万円で株を買ったとすると、残りの非課税枠は40万円になります。その株を売却しても、一度使った80万円分の枠は使用済みとなって再利用できなかったのです。
ところが、今回の改正では、売却によって空いた分の非課税枠が再利用できるようになります」
上記の例でいうと、購入した金額ベースの80万円分の利用枠が空いたことになり、その枠が復活して、再び120万円まで購入できるようになるといった具合だ。
「これは旧NISAに関する『一度使うと枠が消えてしまうので、売るのをためらい、有効に活用できない』という利用者の声に応えたものです。住宅購入資金や子どもの教育資金などで一時的にお金を使う必要がある場合にも、利用しやすくなります。仮に総投資額が生涯投資枠の1800万円に達しても、一部を売却することでその分の枠が復活し、再びNISA口座で運用することが可能になります」