新型コロナウイルス感染拡大による行動制限がなくなり、約4年ぶりに自由な行楽が楽しめるようになった今年の夏。音楽業界では、コロナ前と同様のスタイルでの大規模フェスが数多く開催され、さらに秋にかけてもいくつかのフェスが控えている。
多くの音楽ファンにとっては久々にエンジョイできる夏だったが、一方でフェスが苦手だという人も少なくない。どうしてフェスが苦手だと感じるのか、フェスへの参加を見送る音楽ファンに本音を聞いた。
都内に住む自営業の男性Aさん(40代)は、過去に何度も大規模なロックフェスに参加した経験がある。国内外の問わずさまざまなアーティストを聴く熱心な音楽ファンだ。
「フジロックもサマソニもロッキンも、全部何回かは行っています。そこでしか味わえない高揚感もあるし、貴重な体験であることは間違いないと思うんですが、結局お金がかかりすぎるんですよね。とにかくチケット代が高すぎる。それにつきます」
今年の夏に開催された主な音楽フェスの一般発売チケット料金は以下の通りだ。
『FUJI ROCK FESTIVAL ’23』
1日券:2万2000円/3日通し券:5万5000円
『SUMMER SONIC 2023』(東京公演)
1日券:1万8500円/2DAYチケット:3万4000円
『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023』(先行抽選販売、一般プレイガイドでは販売されず)
1日券:1万5000円/2日セット券:2万8000円/3日セット券:3万9000円/4日セット券:4万7000円/5日セット券:5万3000円
大規模フェスのチケット料金について、エンタメ事情に詳しいライターの大塚ナギサ氏が説明する。
「現在、国内の有名アーティストの単独コンサートのチケット料金は、1万円前後が相場です。海外の有名アーティストの来日単独公演のチケット料金であれば、1万円前後くらいから2万円以上するケースもあり、料金は国内アーティストよりは高めです。
フェスの場合は、規模が大きい分運営にかかる費用も大きくなる。その分、複数のアーティストのライブを楽しめるわけですが、単独公演よりもチケット料金が高いのは致し方ない。ロッキンは国内アーティストのフェスですが、フジロックやサマソニは海外アーティストも出演するので、さらにチケット料金が高くなります」