単純に“懐かしい名機種を復刻するだけでいい”ということではない現実があるのだ。
「動画や音楽、ゲームなど、スマホで手軽に娯楽を享受できる時代にいる20代をホールに呼び寄せるのは簡単ではない。それなら、かつてパチスロに熱狂していた中高年を呼び戻す方が確実というのも、メーカーの戦略としてはうなずけます。
しかし4号機時代を知っている中高年のパチスロユーザーは、若年層より射幸性が高い機種を好む傾向があり、今の時代のパチスロにはフィットしない矛盾もある。
一方で20年前の機種を再現するとなると、演出やゲーム性が最新機種に比べてかなりシンプルなことも多く、洗練されたパチスロに慣れた若いユーザーには“古臭い”と思われてしまうかもしれない。
結局、名機種の復刻は『スマスロ北斗の拳』のようにヒットすれば大きいものの、若年層にも中高年層にも刺さらずに終わってしまう可能性も十分にあるということ。名機を復刻するのは想像以上に難しいミッションだと思います」(藤井氏)
年々ユーザーの減少が囁かれているパチンコ・パチスロ業界において、『スマスロ北斗の拳』のヒットは久々の明るいニュースだった。果たして、これに続く復刻機のヒットは生まれるのか。(了)