60才以降は、現役世代よりも収入が減る。その一方で医療費や介護費の負担が増える。生活ができるか不安な人も多いだろう。余計な出費を削るために、何か“捨てる”べきものはあるのだろうか──。
「最初に捨てるべきは、老後のお金に対する不安です」とは、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんだ(「」内以下同)。
「老後の生活費がいくらかかるか、1年単位で考えてみましょう。ねんきん定期便から12か月分の年金収入を出し、そこから、12か月分の支出と特別支出(固定資産税や保険料など)を引きます。不足分は、貯金や金融資産などで賄えないか計算を。賄えれば心配ありませんし、難しければ、不足分だけ働けばいいのです」
それでも不安なら、支出額を減らすため、無駄な固定費を捨てればいい。
「生命保険、高額な医療保険などは捨ててもいいでしょう。手間と時間がかかり、ストレスにもなる我流の節約や、管理が複雑なポイ活、使わない不動産も体が動くうちに整理を。子供や孫への援助も“できない”と宣言しておくのがおすすめです」
さらに“車”も捨てるべきものの候補となる。
「地域にもよりますが、バスや電車など公共交通機関が活用できるなら、車を捨てるのも手。税金やガソリン代などの維持費が高額ですし、事故の原因にもなります」
60才以上の女性たちが実際に捨てたもの
ここでは、60才以上の『女性セブン』の女性読者にアンケートを実施(『女性セブン倶楽部』会員である全国の60才以上女性571人が回答。回答期間2023年9月12~19日)。実際に“捨てたもの”についてのエピソードを教えてもらった。
●白髪染め代を捨てた!
若白髪が気になり30代から毎月約5000円をかけて白髪染めをしてきました。60代に入り、白髪スタイルと顔が相応になってきたので、染めるのをやめてグレーヘアに。以前は少しでも白髪が生えると気になっていたので、気が楽に。頭皮と髪の傷みも解消されました。(70才・主婦)
●たばこと酒代を捨てた!
60才のときの健康診断で脳内出血のリスクを指摘され、たばこと酒を捨てました。最初はつらかったですが、3か月で慣れました。そこで気づいたのは、たばこと酒代に月約5万円も使っていたこと。飲みの席での人間関係も苦手だったので、ストレスも減りました。(63才・会社員)