いったん明示された労働条件で雇用契約が成立した後、派遣先会社の都合で一方的に条件を変更することはできません。従って派遣元会社は、従事すべきとして明示した業務と違う種類の業務に労働者を派遣するにはその同意が必要です。
命じられた業務が労働条件と違うことから、就業を断ったとしても、労働者は労務提供の義務に違反したことにはなりません。
そして、その場合でも派遣元会社は、労働条件明示書で支払いを約束した賃金を支払う義務があります。
時間が短くなったとしても、それは労働者側の事情ではありません。約束した就労時間を提供できなかったことによる不利益は派遣元会社が負担すべき問題です。あなたの場合であれば、約束が7時間分の労働に対する給料なのですから、3時間になっても全額を請求できます。
請求しても派遣元会社が支払わない場合は、賃金の不払いになり、賃金不払いは労働基準法に違反し、30万円以下の罰金で処罰される犯罪になります。労働基準監督署に相談するのがよいと思います。
【プロフィール】
竹下正己/。1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2023年10月26日号