投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月10日~10月13日の動きを振り返りつつ、10月16日~10月20日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1321.32円高(+4.3%) の32315.99円と4週ぶりに反発し3週ぶりに終値で32000円台を回復した。3連休明けの東京市場は中東の地政学リスクの影響が限定的にとどまり、雇用統計の発表を通過した米国市場上昇の流れを受けて買いが先行し、日経平均は前週末比751.86円高と今年最大の上げ幅をマークした。12日に掛けては半導体関連株の上昇と米長期金利の低下を追い風に全般買いが先行し、日経平均は終値で9月27日以来となる32000円の大台を回復した。その後、注目の9月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなったことで5日ぶりの反落となったNYダウとナスダック総合指数の流れを受けて、13日の日経平均は4日ぶりの反落に転じた。
今週の日経平均は9月15日の戻り高値33634.31円奪回を意識した戻りを試す展開となることが期待される。日経平均は9月15日の高値から10月4日の安値30487.67円までの下げ幅(3146.64円)の半値戻しを達成したことから、投資家に強気姿勢が広がりつつある。
米国のインフレ長期化懸念と米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策への思惑に左右される相場展開が継続することになるだろう。まず17日発表が予定される米9月小売売上高が焦点となる。8月の前月0.6%に対して9月の事前予想は0.3%と伸びは鈍化が見込まれている。予想より強めの数値が表れる可能性が市場の一部から出ているが、8月の伸びを下回る範囲ならば、大きな下振れリスクは回避され、日経平均の戻りに寄与することが期待される。イスラエルに対するイスラム武装組織「ハマス」による大規模攻撃で生じた中東の地政学リスクが引き続き不安定材料として横たわるものの、原油市場や為替動向に過度な反応が出ない限りにおいては、影響も限定的にとどまることが見込まれる。