投資情報会社・フィスコが12月5日~12月9日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め観測は弱まるものの、パウエル議長のタカ派的な見解がドル売りを抑制。株高に振れた場合、円売りがドルを支えそうだ。10月11日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、9月の会合で当局者はインフレ抑止の認識で一致。利下げは遠のいたとみられ、ドルは売りづらい。反面、慎重な意見も目立った。12日に発表された米消費者物価指数(CPI)ではインフレ高止まりが裏付けられた。ただ、10月31日-11月1日開催の次回FOMCに向け、政策金利据え置きの予想が高まっている。今後、12月の利上げ観測が弱まればドル買いは後退しよう。
今週発表の経済指標は9月小売売上高が前回から鈍化、10月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は改善と、強弱まちまちの見通し。いずれも低調な内容なら引き締め観測を弱めドルは弱含む展開とみられる。一方、企業決算の本格化で大手金融などの業績が注目される。一方、中東情勢の不安定化はリスク選好的な円売りを抑制しよう。
【米・9月小売売上高】(17日発表予定)
17日発表の米9月小売売上高は前月比+0.3%と、前回の+0.6%を下回る見通し。金融引き締め政策を支える材料にはならず、米金利安・ドル安につながる可能性があろう。
【米・10月フィラデルフィア連銀景況調査】(19日発表予定)
19日発表の10月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は-6.4と、前月の-13.5から改善が見込まれている。マイナス継続も、景況感の回復が好感された場合、追加利上げ期待のドル買いに振れやすい。