吉田みく「誰にだって言い分があります」

自粛要請も出ている“渋谷ハロウィン”かつて参加した30代女性の苦い思い出 「着替える場所もコインロッカーもなくて…」

仮装を楽しむ人と見物人で移動もままならず(2019年)

仮装を楽しむ人と見物人で移動もままならず(2019年)

そもそもあんな人混みに「子供は連れて行けない」

 2歳と4歳の子供を育児中の埼玉県在住の専業主婦・リホさん(仮名、34歳)は、ママ友同士でハロウィンを楽しむ計画を立てていることを話してくれた。

「渋谷ハロウィンについては友人やニュースなどで色々な情報が入ってきます。たとえ自粛要請がなかったとしても、参加するだけで疲れてしまいそうですよね……。それに、子供を連れてあの人混みに行くのは無理だと思っています。コロナも落ち着いてきた今年は、ママ友同士で自宅に集まってハロウィンを楽しむ予定です」(リホさん、以下同)

 リホさんは親しいママ友と子供たちで、自宅でハロウィンを楽しむ予定とのこと。親子で仮装をしたり、お菓子を配って盛り上がるそうだ。しかしママ友同士でちょっとした意見の衝突が起こっているという。

「『おやつ代は500円か1000円か』でちょっと揉めています。家庭の方針で市販のお菓子を食べさせていない子もいるので、その対応はどうすべきかなども悩みどころです。皆が平等に楽しめるためにも、手作りお菓子を用意すべきなのか……。でも誰が作るのか……。親しい仲とはいえ、ハッキリと意見を言うのは憚られる関係性。『どうしようか〜』『悩んじゃうね』と会話が全然進みません」

 現在もハロウィンパーティーの話はまとまっていないとのことだった。「前日になったら何となく決まることを願っています」とリホさんは話していた。

 季節のイベントとして定着したハロウィンだが、最近では親しい人だけで集まってパーティを楽しむ人も増えてきており、渋谷ハロウィンのような盛り上がりは一部に限られている印象を受ける。コロナ禍もひと段落し各地でイベントが再開し始めているなか、節度ある行動で楽しんでほしい。

【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。同連載をまとめた著書『誰にだって言い分があります』(小学館新書)が発売中。

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