ピザ業界の発展に寄与することを目的に設立されたピザ協議会がまとめたピザマーケット調査によれば、ピザ推定末端売上高は2021年度に3148.6億円を記録。初めて3000億円を突破した。2022年度はさらに過去最高を更新する前年比3.6%増の3278.9億円となった。【飲食店の原価・第4回/宅配ピザ編。第1回・ラーメン編から読む】
宅配ピザ業界の現状はどうなっているのか、業界紙記者が解説する。
「コロナ禍の影響で業務用(飲食店向け)のピザの売り上げは落ち込んだが、宅配ピザ店舗は拡大。通販やテイクアウトも売り上げを伸ばした。その結果として、業界全体の売り上げの規模が拡大を続けている状況です」
日本ソフト販売の調査によれば、今年1月時点で宅配ピザチェーンの最大手「ドミノ・ピザ」が全国に957店舗。「ピザーラ」の537店舗、「ピザハット」の506店舗が続き、宅配ピザ御三家と呼ばれる。
同調査では全国の宅配ピザチェーン店舗数は2502店舗としている。2022年1月の2382店舗から5.04%増え、この1年間はひと月も前月を下回ることなく推移してきたという。最も店舗を増やしたのは業界1位の「ドミノ・ピザ」で78店舗増。「ピザハット」が44店舗増、「ナポリの窯」が6店舗増と続く。前出・業界紙記者が続ける。
「宅配ピザのチェーン店はフランチャイズ制で、20坪ほどの店舗や宅配用のバイクを確保しなければならず、本部への加盟金や保証金も発生する。開業資金として2000万円以上必要とされ、毎月のロイヤリティ、広告宣伝費などの支払いもあるが、電話やネットで注文が受けられる態勢さえあれば商売ができるのは魅力でしょう。そのうえ宅配ピザは食材の原価が10~15%と原価率が低いことで知られてきた。客単価は2500円程度とされるが、原価は250~300円といわれています」