投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月16日~10月20日の動きを振り返りつつ、10月23日~10月27日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1056.63円安(-3.3%)の31259.36円と大幅反落した。週明け16日は中東リスクの高まりなどから全面安となり、日経平均は節目の32000円ラインを割り込んで大引けた。17日から18日に掛けては半導体関連が買い直されて日経平均は上昇して32000円台を回復した。しかし19日には米長期金利上昇および米株安を受け一転してリスクオフとなり、日経平均は611.63円安と急反落に転じた。パウエルFRB議長講演を受けた米株安の流れから20日の日経平均は朝安後に自律反発狙いの買いから下げ幅を縮小する場面があったものの、続落で大引けとなった。
今週の日経平均は下値リスクを抱えるなか、32000円から31000円のボックス相場が想定される。19日のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演では、長期債利回りの上昇で利上げの必要性が低下する可能性に言及し、次回のFOMCでは政策金利を据え置く可能性が示唆された。一方、米経済の強さが続いた場合は追加利上げが正当化されるとの見解を示し、利上げ終了時期は示されず、強弱感が対立する内容だった。このほか、先週はFRB関係者の発言が米長期金利の動向に影響して、NYダウやナスダック総合指数に色濃く影響する展開だった。ただ、今週はFOMCの12日前からFRB高官が金融政策に関する発言を自粛する「ブラックアウト期間」に入る。米長期金利の動向は、26日のECB定例理事会とラガルド総裁会見、米7-9月期GDP速報値、27日の米9月個人所得・個人支出の動向に左右されることになりそうだ。
このほか、イスラエル地上部隊のガザ地区への地上部隊侵攻による中東情勢の緊迫化と原油先物高、米国による対中半導体規制強化、米下院議長の選出遅れによる米財政運営の先行き不透明感などが外部要因の懸念材料としてあげられる。
相場は上値追い材料に欠ける状況だが、物色動向の変化のきっかけとして、日米での企業決算が突破口となる可能性がある。米国では24日にマイクロソフトとアルファベット、25日にボーイング、メタ・プラットフォームズ、26日にアマゾン、インテル、27日にシェブロンが決算発表を予定している。