投資情報会社・フィスコが10月23日~10月27日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米国経済の成長が加速し、連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げ観測によるドル買いが続いている。ただ、1ドル=150円台は日本政府による為替介入が警戒されており、リスク回避的なドル売りが強まりやすい。足元の堅調な経済指標は、国内経済が高金利下でも力強さを維持していることを示す。9月小売売上高は想定を上回ったほか、住宅着工件数は前回より強い内容となり、引き締め政策を後押しする材料となった。パウエルFRB議長など当局者からはインフレ高止まりを受け引き締め継続の必要性が強調され、米10年債利回りは2007年7月以来の高水準に浮上。それを受け、ドルは上昇基調を維持している。
今週発表の7-9月期GDP速報値は前期比年率+4.0%と、4-6月期の+2%台を大きく上回る見通し。半面、9月コアPCE価格指数は前回を下回ると予想され、一段のドル買いを抑制しよう。
また、中東情勢の不安定化でリスクオフのムードが強まれば、安全通貨が選好される。ドル買い・円買いでドル円は引き続き下げづらいが、150円台での日本の為替介入が警戒され、ドルの重石となる。
【米・7-9月期GDP速報値】(26日発表予定)
26日発表の米7-9月期GDP速報値は前期比年率+4.0%と、4-6月期の2%台を大きく上回る見通し。市場観測に沿った強い内容なら引き締め継続期待のドル買い材料になりやすい。
【米・9月コアPCE価格指数】(27日発表予定)
27日発表の米9月コアPCE価格指数は前年比+3.7%と、前回の+3.9%を下回る公算。インフレ抑止が示されれば引き締め期待は後退し、ドル買いを抑える要因に。