ライトユーザーには高性能すぎる?コントローラー事情
昨今のコントローラー事情について、ゲームに詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「ゲーム機の性能が高まるとともにコントローラーも多機能になっていて、価格も高くなっています。同時に競技性の高いゲームが増え、オンラインで対戦することが当たり前となっているなかで、より高度なプレイを実現するための高性能なコントローラーへの需要も高まっています。PS5の場合、『DualSense』は標準コントローラーですが、2万9981円の『DualSense Edge』という、自由なカスタマイズが可能なハイエンドモデルも発売されています。
またサードパーティ製品についても、『DualSense』より性能の高いハイエンドモデルが多く、『DualSense』より安い製品はほとんどありません。PS5の場合、純正品の『DualSense』がもっとも安いコントローラーだというのが現状です」
ネット上では〈余計な機能を無くした安価なモデルがほしい〉、〈そんなに高いコントローラいらないからハプティックとアダプティブと振動とマイク取り除いた廉価版とか出してよ〉など、一部の機能を省いた廉価版コントローラーの登場を期待する声もあがっている。
「『DualSense』には、ゲーム内の状況に応じてリアルな“振動”が生じる『ハプティックフィードバック』やボタンを押す際の抵抗が変化する『アダプティブトリガー』という機能が搭載されています。これらの機能があることでゲームへの没入感が高まる効果がありますが、ライトにゲームを楽しみたいユーザーにとっては、そこまで必要なものではない。
たとえばパズルゲームを楽しみたいユーザー、家族とパーティゲームを楽しみたいユーザー、あるいはじっくりとシミュレーションゲームを楽しみたいユーザーなど、シンプルなコントローラーで十分だという声も少なくない。そういったユーザーに向けた廉価版のコントローラーへの需要も確実にあるわけです。もしもソニー純正の廉価版コントローラーが発売されたら、それなりの人気になると思います」(藤井氏)
ハードの進化に合わせて、コントローラーも進化すれば、価格が高くなっていくのも仕方ないこと。しかし一方で、ゲーム機本体に比べて買い替える頻度が高く、さらには買い増すこともあるコントローラーが1万円近くもすると、ライトユーザーにとって“ハードルが高い”ものとなっているのも事実だ。メーカー側もより幅広い層にゲームを楽しんでもらうべく、廉価版コントローラーのニーズに応えることはできるか。(了)