値上げの波は家庭用ゲーム機にも及んでいる。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は9月15日から、「PlayStation 5」(PS5)の値上げに踏み切る。通常版は6万478円(以下、税込)、デジタル・エディションは4万9478円で、従来価格よりも5500円の値上げだ。SIEは価格改定について、困難な経済情勢の影響を受けて「避けることのできない決断だった」と説明している。
SIEにとって苦渋の決断だったことが伺えるが、いまだにPS5を入手できていない消費者もまた、苦しい立場にある。2020年11月に発売されたPS5、まもなく発売から2年が経とうとしているが、いまだに購入できないまま値上げが発表されたことで、負け惜しみとも捉えられるような複雑な心境になっている人も少なくないようだ。その思いを聞いた。
「従来機なら小型化や値下げする時期」
メーカーに勤務する30代男性・AさんはPS5の値上げが「発売から約2年」というタイミングにモヤモヤしている。
「『5500円も値上げされた』なのか、『5500円で済んだ』なのかは、解釈が分かれるところですよね。でも、『発売から2年』というタイミングは、従来機だったら小型化や値下げする時期。世界情勢的に仕方ないとは思いますが、正直、複雑な気持ちです」(Aさん)
PS5の販売は抽選販売という形態を取っている店も多いだけに、抽選に当たらない限り購入することができず、厳しい状況が続いている。
「どこのお店でも、PS5が普通に買えるという日は来るんでしょうか……。買えなくてイライラしたり落ち込んだりするフェーズはとっくに過ぎて、最近は、もういいかな、というあきらめの気持ちが強いです」(Aさん)