住まいに関して、多くの人が頭を悩ませる永遠のテーマである「賃貸か、購入か」という問い。住宅ローンアナリストの塩澤崇氏が、不動産購入のリスクを挙げながら、賃貸・購入それぞれのケースでシミュレーションして解説する。
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「家を買うのと、賃貸暮らしのどちらがいいか」が気になる人は多いようで、私もよくSNSでこの質問を受けます。住宅費は生涯のなかで最大の支出の1つですし、少しでも快適に、お得に暮らせる判断をしたいところです。
そこで今回は、持ち家と賃貸で住環境の特徴がどう異なり、どちらを選ぶのがよいか、リターンとコストの面から説明していきたいと思います。
住環境から見た購入・賃貸それぞれの利点
まずは、購入する場合と賃貸の場合での、選択肢の多さの違いをみてみましょう。東京23区の例ですが、2~4人家族向けの2LDK物件が1年間にどれくらい出てくるかを調べてみました。新築は推定3000戸、中古は約8500戸(この2つが持ち家の場合の選択肢)で、賃貸は約5万戸という結果です。選択肢は賃貸のほうが明らかに多いことがわかります。
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