六本木と虎ノ門に挟まれた都心部に出現した「超巨大ビル」。東京タワーとほぼ同じ330メートルで、大阪のあべのハルカス(300メートル)を抜いて、「日本一の高層ビル」の称号を手に入れた。このビルの最上階に、200億円を払って住む予定の大富豪がいる。
森ビルが手掛け、今年11月にオープンする複合施設「麻布台ヒルズ」。オフィスや商業施設が入るが、なかでも注目を浴びているのが、メインタワーの最上階(64階)に位置し、1フロアに3戸だけ作られたペントハウスである。
ワンルームマンション約75戸分の広さがある最も大きな部屋の価格は約200億円とされ、すでに売約済みだという。
これまでの国内の分譲マンションの過去最高額は表参道にある低層型物件の67億6000万円とされているが、記録を塗り替えるどころか、文字通り、桁違いである。
日本人が購入
なぜここまで高額なのかというと、世界のセレブ御用達の超高級ラグジュアリーホテル「アマン」が手がけた住居だからだ。54~64階までの91戸がアマンの住居で、各戸に専用エレベーターが直結し、居住者は54階と56階にあるラウンジやバー、専用シェフがサービスを提供するプライベートダイニング、25メートルのプールを併設するスパなどの専用施設を利用できる。
この超豪華な「アマンレジデンス」のなかでも、最上階にあるペントハウスは、価格も含めてすべてが最上級ということだ。
いったい誰がこのペントハウスを購入したのか。不動産関係者によると、「最上階にある3戸のペントハウスのうち200億円の最高額の部屋を含む2戸が売約済みで、それぞれ日本人が契約しています」とのこと。
不動産ジャーナリストの榊淳司氏はこう言う。
「ローンを組めるのは20億円くらいまでなので、200億円もする物件ともなると、一括で払える人に限られるでしょう。日本には100人もいないと思います」