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介護現場で注目される「『よっこいしょ』は虐待か」問題 「自分のための掛け声」か「相手をモノ扱い」かの切り分けは難しい

介護現場での「よっこいしょ」の掛け声が議論を呼んでいる(写真:イメージマート)

介護現場での「よっこいしょ」の掛け声が議論を呼んでいる(写真:イメージマート)

〈「よっこいしょ」は虐待だ〉〈いや、そんなことはない〉――。今、介護関係者のX(旧ツイッター)では、そんな議論が盛んに交わされている。一体、どういうことなのか。

 介護施設のスタッフが、利用者をベッドから車椅子に移乗する時などに思わず口にする「よっこいしょ」という掛け声。これが「虐待」に当たるのではないか――そんな問いかけから騒ぎは始まったようだ。

 一口に虐待と言っても、身体的虐待や心理的虐待、性的虐待など、いくつかに分類される。議論されているのは「よっこいしょ」が心理的虐待に該当するか否か、ということのようだ。

〈弊社でも「よっこいしょは虐待」とチェックリストに入っています〉
〈わりと昔から介護現場では「よっこいしょ」はNGワードでした〉

こうした書き込みも散見されるが、〈そんなことまで虐待扱いされたのでは仕事にならない〉といったトーンの投稿のほうが多い印象だ。

 介護福祉士養成施設などで講師を務める田中健氏(主任介護支援専門員)は次のように語る。

「『よっこいしょ』という掛け声によって、利用者に『私ってそんなに重いのかしら』と心理的な負担をかけるかもしれない。そうしたことを危惧する考え方も、なくはないと思います。また、物を運ぶ時の掛け声に聞こえる、といった思いもあるでしょう。でも、相手との関係性ができていれば、『よっこいしょ』は決して虐待に当たる掛け声ではないと思います」

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