自問自答の果てに“商売道具”として唯一手元に残ったのが「バブリーキャラ」のステージ衣装だった。
「それまでは芸の幅が広い方がいいと思っていたから、プロボウラーやシスターなど、ほかにもいろいろな衣装を持っていたんです。でもよく考えてみると、バブルキャラ一本で行くという覚悟がなく、保険をかけていただけ。
過去に出演していたテレビ番組を保存したDVD300枚もその後捨てました。あとでもう一度見返すために取っておいたのですが、場数を踏んでいけばどんな経験も忘れずに、しっかり体が覚えているから、実際に見返したことはなかった。むしろ『こんなにいろいろな番組に出ていた』という事実を手元に残して過去の栄光にすがりたいだけだとわかったんです」
夫の「捨てられないモノ」は否定しない
取っておくモノを厳選したことが今日の成功につながった平野。だが、その取捨選択に悩んだり、捨ててしまった後に後悔したりする人は少なくない。
「大切なのは“自分軸”で決めることだと思います。昨今はミニマリストなどモノを手放す価値観がもてはやされている。もちろん、自分がそうしたいならどんどん手放せばいいけれど、“みんなが終活しているから”という理由だけでやろうとしているなら、考え直した方がいいと思う。
他人からはガラクタに見えても、本人にとっては宝物ということもあります。年に1回しか着ない服でも、思い出が詰まっていて大事にしたいなら捨てる必要はない。“他人軸”で行動すると後悔することが多いんじゃないかな」