人気低迷を打破するために
カージャーナリストの島下泰久氏は、ジャパンモビリティショーの印象を次のように語る。
「1954年に始まった東京モーターショーは、最盛期の1991年には来場者が200万人を突破しました。しかし、最近ではその人気も低迷しています。ただ、これは日本だけの事情ではありません。アメリカのデトロイトや、ドイツのミュンヘンで行なわれる国際モーターショーも地盤沈下が進んでいます。
もちろん日本の自動車業界も危機感を覚えているはずです。ただ、かつてのように、派手な演出でコンセプトカーや新車を展示すれば売れるという時代ではなくなった。
それよりも自動車を含めた移動手段を現代の生活により即したものとして打ち出していく。業界全体のそうした方向転換が様々なところに見えるショーに仕上がっていると思います」
移動手段としての“乗り物”の進化は続いている。「ジャパンモビリティショー2023」にはその最先端が集まっている。(了)
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