投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月30日~11月2日の動きを振り返りつつ、11月6日~11月10日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は日米の中銀ウイークを通過し、週間で958.20円高(+3.1%)の31949.89円と3週ぶりに反発に転じた。2日は10月18日以来となる32000円台を一時回復している。
週明け10月30日の日経平均は日米金融政策にらみで買い手控えの中、中東情勢の緊迫化を嫌気して反落でスタートした。31日はNYダウの4日ぶりの反発と日銀の過度な政策変更への警戒が和らぐなか、金融株主導で反発に転じた。1日は日銀金融政策決定会合が波乱なく通過したことに加え、場中に発表されたトヨタ<7203>の決算が好感されて日経平均は742.80円高と大幅続伸、1日の上げ幅としては今年2番目の上げ幅をみた。FOMCを波乱なく通過し米国株高を受けた2日も買いが先行して日経平均は続伸したが、3連休を控えて後場はもみあいとなった。
今週の日経平均は32000円台を固めて10月13日の戻り高値32533.08円をキャッチアップできるかが焦点となってこよう。先週の日銀金融政策決定会合では、「イールドカーブ・コントロール」の修正が微調整となり、その後の株高につながった。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の事前予想通り2会合連続で政策金利が据え置かれた。声明ではインフレを抑制する要素が増えているとの認識が示され、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見でも追加利上げには積極的でない内容が示されたとマーケットでは受け止められ、米長期金利が低下しNYダウとナスダック総合指数の上昇につながった。市場の一部では利上げ終了の予想も台頭し始めている。
次回のFOMCは12月12日から13日、日銀金融政策決定会合は12月18日から19日の予定で、スケジュール的な空白期が生まれる。引き続き、金利動向をにらんで推移するNYダウやナスダック総合指数の動向に日経平均は反応することが予想されるが、今週は米国の金融政策に影響が大きい経済・労働統計の発表は見当たらない。企業業績についても、日本に先行して主要企業の決算発表がほぼ一巡した米国では8日にダウ採用銘柄のウォルト・ディズニーが予定している程度で、事前に予想される波乱要因は少ない。