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【日本経済が抱える“心臓の爆弾”】50年前のシステムを“つぎはぎ”する「全銀システム」の不安 表面化しない障害は日常的に発生

10月18日、システム障害を謝罪する全銀ネットの辻松雄・理事長(写真左/時事通信フォト)

10月18日、システム障害を謝罪する全銀ネットの辻松雄・理事長(写真左/時事通信フォト)

 支店・ATM統廃合、手数料値上げなど銀行の「顧客軽視」に厳しい目が向けられるなか、金融ネットワークの信頼性を揺るがす事態が相次いでいる。

 10月10日朝、三菱UFJ銀行やりそな銀行など11の金融機関で、他行宛ての振り込みが不能になるシステム障害が発生。翌11日までの2日間で255万件の送金ができず、他行に着金されない不具合も含めると、のべ約500万件もの取引に影響が広がった。

 今回の障害は、銀行間の送金を担う「全銀システム(全国銀行データ通信システム)」と各金融機関を結ぶ中継コンピュータで起きた。全銀システムは全国の金融機関が接続し、1日あたり平均13兆円規模の取引を処理。影響は全国に波及した。

 決済が集中する「5・10日(ごとうび)」だったこともあり、障害が発生した金融機関では「給料が振り込まれない」「支払いが滞ってしまう」などと訴える利用者が相次いだ。都内の飲食店経営者もそのひとり。

「取引先などへの支払いのため、連休前に三菱UFJのネットバンキングで信用金庫や信用組合の引き落とし口座に入金手続きを済ませていたが、10日午前に信組の担当者から『残高不足』と連絡が来た。支払いが遅れれば信用問題になるので、慌てて信組に出向いて現金を入金しました」

 しかも、信組の担当者は当初、大規模障害の発生を把握しておらず、客に落ち度があるかのように「送金元の三菱UFJに確認を」の一点張り。

「三菱UFJのコールセンターに電話しても30分以上つながらず、あげくに『一定時間が経過した場合は電話を切らせていただくことがあります』と自動音声が流れてくる。あれには困り果てました」(同前)

 全銀協(全国銀行協会)傘下で全銀システムを運用する全銀ネット(全国銀行資金決済ネットワーク)は、損害を補償する方針を打ち出しているが、それで不安が拭えるわけでもない。

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