ちばぎん証券による販売で問題視された仕組み債のなかでも、個別銘柄の値動きに連動するEB債(他社株転換可能債)については、金融庁が〈株式に代えてEB債を購入する意義はほとんどない〉(資産運用業高度化プログレスレポート2022)と指摘し、すべての地銀が販売を停止した。
しかし、その他に為替や指数に連動する仕組み債も販売されており、堀内氏は「商品説明資料に『仕組み債』と書かれていないケースも多く、気づかずに保有している人もいるのでは」と指摘する。
外貨建て一時払い保険、ファンドラップ、テーマ型投資信託
金融庁が今年6月の報告書で、仕組み債と並べて課題を指摘したのが外貨建て一時払い保険だ。
「中長期の為替変動リスクがつきまとう商品です。歴史的な円安の今、手を出すと、円高反転時に受け取れる保険金が払い込んだ金額を下回るリスクがある」(堀内氏)
『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』の著者でシニア投資コンサルタントの西崎努氏はファンドラップの注意点を挙げる。
「専門家が複数の投資信託を組み合わせて運用・管理するサービスですが、運用コストが年2~3%と高く、金融庁もプログレスレポートで問題視した。組み込まれた投信の手数料とファンドラップの手数料が二重でかかる形となり、運用で多少の利益が出ても、コストが上回って資産が目減りしてしまうケースがある」
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