発奮を促したつもりだが「先生は怖い」と言われ…
都内の中堅進学塾で教えるNさん(30代/男性)は、自分では叱咤激励したつもりだったが、それは思い込みだったと振り返る。
「小学4年生の時からずっと受け持っている男の子が、願書を出す直前になって、急に『受ける学校を変えたい』と言い出したんです。それまで第一志望は私立の進学校でしたが、新たな志望校は中堅大学の付属校。レベルは下がりますが、友達から『共学の方が絶対楽しい』『付属なら大学まで行ける』と吹き込まれたようです。
その生徒は模試で良い結果が出ており、最難関校も夢ではない学力がある子。思わず、『せっかく頑張ってきたのに!』『ずっと目指してきた○○に行こうよ!』と、発奮を促すつもりで尻を叩いたんですが、その後パッタリと塾に来なくなってしまって……。親御さんからは私を責める言葉はありませんでしたが、『息子が“N先生は怖い”と言っている』と言われ、塾長からは『受ける学校を決めるのは子供だよ』と言われ、返す言葉もありませんでした」(Nさん)
叱咤激励のつもりでも、相手がどう受け止めるかは大きなポイントとなるようだ。
「○○君ならできるだろ」すらもNGなのか
中小メーカーで働くYさん(50代/男性)は先日、時代の差を感じざるを得ない事態に遭遇した。
「自分のチームの1人が先日、危うくとんでもない発注ミスをしかけた時のことです。そのミスはダブルチェックの段階で避けることが出来ましたが、そのまま発注していたら我が社の1か月分の利益が軽く吹っ飛ぶ額。グループリーダーとしては注意せざるを得ず、そのミスがいかに重大なのかをこんこんと説き、どうすれば再発を防げるかをレポートで出すように告げました」(Yさん)