決算期を迎えている日本株市場は、11月に入ってから急反発を見せている。そうした中で、投資の機会をどのように窺えばよいか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が、足元の経済情勢を分析しつつ、日本株で注目すべきセクターについて解説する。
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日本は決算シーズンに本格突入しており、10月後半から11月中旬までで約2500社の決算発表が予定されている。
投資環境を考えてみると、地政学リスクなどの懸念材料はあるものの諸外国のインフレが沈静化を見せ始めていることなど、総合的にみると非常に良い状況になってきている。よって、11月は好転の初動の月になる可能性は高いと考えている。
また、日本マーケットにおいて、11月はこの10年間で振り返ってみても9勝1敗と、非常に勝率の高い月となっており、大きな利益を狙って積極的に買い向かう投資家も少なくないのではないか。
10月後半から11月3日現在で1000社弱の企業の決算が発表されているが、今回はその中でも印象深かった3社の決算を分析していきたい。
【1】SCREENホールディングス(7735)
同社は半導体・液晶製造装置が主力で、ウエハ洗浄装置で世界首位。10月31日に発表された2024年3月期の第2四半期決算は予想を超える内容であった。
10月までは東京エレクトロン、レーザーテックといった半導体銘柄の株価が、全般的に冴えない状況が続いていた。また、先に発表されていた半導体銘柄の決算では、下方修正等の発表も目についた。各社のコメントを見ても「世界経済の不透明さ」「需要の減退」といったワードが並び、ハイテク産業の米金利上昇への弱さを見せつけられた格好だ。しかし、この経済環境で好業績を出せるハイテク銘柄があれば、それは金利高や景気の逆風を跳ね返すだけの本業の強さがあるということで、投資家にとっても物色対象となるだろう。
それに当てはまるのがこのSCREENホールディングス(7735)ではないか。すでに今期業績は過去最高の数字になるという予想を出していたが、それをさらに上回る上方修正の発表は、半導体銘柄の中で一際目立つものとなった。