安全性や万一の事故の補償を考えると…
全面的に導入賛成派のAさんに対して、慎重派の人もいる。IT企業勤務の20代女性・Bさんはタクシーをよく利用するが、ライドシェアを利用する気にはなれないそうだ。
「タクシー会社のように車両の整備がなされ、管理された人の運転ならいいんですけど、知らない一般の人の車に乗るのは怖い。安全性や万一の事故の補償を考えても、やっぱりタクシーに乗りたいです」
とはいえ、ライドシェアに絶対反対というわけではないという。
「乗りたい人が乗れば別に良いのではというスタンスです。私は一般人が食事を運ぶUber Eatsも怖くて頼めないタイプでしたが、利用する人はめちゃくちゃ利用しますよね。何らかのトラブルの可能性があるとしても使い勝手がいいと感じる人はいるだろうし、そういう人がライドシェアを利用すればいいのでは」(Bさん)
地方の移動手段として試験的導入を
とりあえず導入してから考えてみればいいという人もいる。不動産会社勤務の30代男性・Cさんは、「ライドシェア導入で解決する問題も多いので、まずは地域限定で試験的な導入がいいのでは」と提案する。
「アプリにタクシーとライドシェアを共存させて、ユーザーが料金や運転手の質によって選べるようなればいいですね。ドライバーの空いた時間に料理や荷物を運べるようになれば物流業界の人手不足にも一役買うかもしれないし、副業の選択肢や既存ドライバーの収入アップにつながるかもしれない。
地方の移動手段も増やさないといけません。高齢者が車の免許を返上しないで事故が繰り返される現状を考えても、ライドシェアが導入されれば、通院や買い物をする時でも気軽に利用できるようになるのでは。試験的に地域限定で導入してから今後について考えるのもありかなと思います」
世間の声を聞く限りは、さまざまな検討課題があるライドシェア。今後、国はどのような方針を示すのだろうか。(了)