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予算権と徴税権で霞が関を牛耳る「財務省」の組織研究 アメとムチで政治家を籠絡する人事システム

同期入省組の強い結束力

 長谷川氏が語る。

「財務省の強さの秘密は、なんといっても同期入省組の結束の強さです。エリート官僚は“オレがオレが”という意識が強いため、他省庁では同期の官僚は出世競争のライバルとなり足の引っ張り合いも多い。

 ところが、財務省は同期同士が切磋琢磨しながらも、出世競争に遅れた者は結束して同期の出世頭を盛り立て、次官へと押し上げようとする。役所の人事ルールでは同期から次官を出すことができれば、他の官僚も局長クラスやあるいは国税庁長官、財務官などに出世できます」

 逆に、次官を出せない期は、局長クラスにまでなれる人数も少なくなるのだ。

「同期の一番手を次官まで出世させることが、自分たちの出世につながるわけです。その代わり、次官は同期の天下りの面倒を見るしきたりがある。こうした結束力で、財務官僚は政治家が人事に介入しようとしても団結してはねのけるし、他省のように内紛に発展することはない。組織として政治家に隙を見せないわけです」(同前)

 かくして財務省が増税へと突き進めば政治家も止められない、国民にとって「最強最悪」の官庁ができあがったのだ。

※週刊ポスト2023年12月1日号

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