岸田政権が「1人4万円」減税を打ち出したが、批判は多い。それもそのはず、たったそれだけの“還元”では、増税を含む大負担増に対して何の助けにもならないからだ。だからこそ、自ら動いて「本来得られるはずのお金」を回収することも必要になる。
その手段として、国や健康保険、雇用保険などと別に、自治体が独自に給付金・補助金などを用意するケースを活用することが考えられる。各自治体ではスマホ購入、パスポート取得、そして墓じまいまで、補助金が用意されている場合がある。【前後編の前編。後編を読む】
“お知らせ”は来ない
自治体独自の給付金について、消費生活アドバイザーの丸山晴美氏が説明する。
「自治体独自の給付金は、その地域ならではの問題を解消するために設定されていることが多い。シニア世代への福祉の充実を目指す自治体もあれば、害虫駆除といった地域特有の課題を解消しようとするところもある。人口流入による税収増のために、子育て支援や住宅支援といった若い世代向けの補助を打ち出す自治体もあります。
自治体間のサービス競争のような側面もあり、それぞれが力を入れる分野も異なるため、一人ひとりが地元自治体の出している情報をチェックすることが大切になります。
独自色豊かでユニークな制度を用意している自治体も少なくありません。たとえば、宮崎県は海外に行くことに関連した補助制度が充実しています。5年用パスポートの取得費用が全額補助されますし、それ以外にもグループでの海外渡航の費用の一部が支援されるといった仕組みがあります。宮崎空港からの国際定期便が再開したことを受け、利用促進を図るための補助という位置づけになっています」