健康のための投資はほどほどに
モノを買うのではなく、旅行のように「経験」にお金を使うと、金額以上の幸福度が得られる投資になる。
「自分の幸福度を高めるために、健康寿命までに何がしたいか、それにはいくらかかるかをリストアップするといいでしょう。“来年は何をしよう”“5年後はここに行こう”と考えるだけでも幸福度が上がり、予算も計画的に考えられるはずです」
そうすればおのずと気力がわき、心身の健康にもつながるはずだ。
ただし、健康のための投資はほどほどにしてほしい。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが言う。
「家計調査によれば、60代の支出では特にスポーツ施設の使用料が、70代ではサプリメントの購入費が多くを占めています。健康意識が高いとも取れますが、それが本当に健康につながっているかは疑問です」
スポーツクラブに入会するのはいいが「誘われたから」「寂しいから」と、人づきあいを目的に会費を払い続けている人も少なくない。現役時代の人間関係や金銭感覚は一度改めた方がよさそうだ。
また「学び直し」にも注意が必要。
「定年後にひまを持て余して“資格マニア”になり、セミナーなどに多額のお金を投じる人も少なくありません。ところが、高齢になってからいくつも資格を取っても、収入につながるかは本人次第。仕事に直結するとは限らないことを理解した上で、あらかじめ予算を決めてから取り組んでほしい」(三原さん)
老後資金は、金額よりも使い道が大切。それ次第で、あなたの老後を天国にも、地獄にも変えてしまうのだ。
※女性セブン2023年11月30日・12月7日号